かなり前のことですが、「サイエンス・イマジネーション」という非常に面白い本を読みました。
これは2007年に日本で初めて開催された世界SF大会「ワールドコン」の企画の一部として行われたシンポジウムの記録といくつかの短編小説を併せて収録したなかなかユニークな本です。
そして内容はものすごく高度で私程度の頭ではついていけません。
まあ、それはいいとして、いろいろある興味深い記述の中で特に私が気になったことを紹介したいと思います。
大抵の方はいままで何度かレントゲン写真を撮ったことがあると思います。
その時に、技師が「息を吸って、はい止めて」と言いますよね。
実は犬にはこの呼吸を止めるということができません。
なぜかというと、脳の大脳皮質運動野から延髄の呼吸中枢への直接連絡路がないからです。 この直接連絡路があるのは、5000種類ほどの鳥類、80種類ほどのクジラ類、一部の哺乳類、そして霊長類では人間だけです。
つまり、人間に近いはずのチンパンジーにもゴリラも呼吸を止めることができないんですね。
そして、これらの鳥類やクジラ類は発声学習をします。
言い換えると新しい音を学ぶことができるということです。
オウムや九官鳥が良い例でしょう。
これに対して、犬や猫、チンパンジー、ゴリラは生まれつき出せる音以外は出せません。
だからどんなふうに聞こえるとしても、これらの動物が人間の言葉を真似ることはありえません(夢を壊すようですが)。
どうでもいいことのようですが、こうしたことから人間の言語の発生の起源が解明されていくわけですね。
興味がある方は「サイエンス・イマジネーション」を読んでみてください。
では。
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