ただ、税関・入国管理局は例としては特殊なので、話を警察での取り調べの通訳にまで拡大します。
日本に日本語手話の通訳者が何人いるか知りませんが、取り調べに手話通訳者をすぐに呼ぶのは難しいでしょう。
警察にリストはあるのでしょうが、手配に時間がかかることは間違いありません。
さらにこれが英語を初めとする外国語の手話通訳者だと、日本にそんな人たちがいるかどうかも定かではなく、もう絶望的です。
だからといって、取り調べもせずに無罪放免にするわけにもいかないでしょうし、外国人だったら恐らく本国送還になるでしょう。
当然、それにはかなりの時間がかかります。
ですから、繰り返しますが、問題の聴覚障害者の女性が受けた扱いは特別にひどいものとは言えないんですね。
ついでなので、取り調べの普通の通訳の話をします。
手話通訳ではありませんが、警察関係の通常の通訳については、時々、求人があります。
条件がかなり悪いので私は応募しませんが。
そう言えば、フランスに居た時に、仏警察から依頼があり、通訳を派遣したことがありますが、やはり条件が非常に悪かったことを覚えています(私が担当したわけではありませんが)。
警察は予算がないんでしょう。
仕方がないのかも知れませんが、条件が悪いと(要するに料金ですが)、優秀な通訳者を雇うことができません。
そして最悪の場合、取り調べを行なう側と受ける側の意志疎通ができず、とんでもない結果を招くことがあるんですね。
もう少し続きます。
では。
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