小説を読んで何の役にたつのだろう

20170703064933-df8c8764dfb017dd0f8622d4748343ab4fcfcae2.jpg若者を批判する言葉は山ほどありますが、「最近の若いやつらは本を読まない」はその典型的な例でしょう。

世の中の親も子供によく言います。

「テレビゲームばかりしてないで、本でも読んだら」

中学校なんかでも生徒に世界文学を読ませようと必死です。

どうも根強い読書信仰みたいなものがあるみたいですね。

本さえ読んでいれば、頭が良くなる、正しい人間になれるといった。

しかし、本当に本、特に小説なんか読んで何かの役に立つんでしょうか。

大体、江戸時代や明治・大正時代には小説は婦女子の読むもので品が悪く、悪徳を広めるものだとさえ考えられていました。

それが昭和の後半、特に戦後になって大きく様変わりするんですね。

本を読むことが知能を高める方法として推奨されるようになったわけです。

しかし本当に本を読むと賢くなるのでしょうか。

ここに面白いデータがあります。

OECDでは加盟国の15才の生徒に対して読解力、数学、科学のテストを行い、その結果をさまざまな角度から分析しているんですが、その中に「趣味としての読書時間量」との相関関係との項目があります。

日本では生徒が55%が「趣味で読書することはない」と答え、これはOECD諸国ではもっとも高い数字だったので、日本のマスコミも大騒ぎしました。

「日本の生徒の読書量は世界最低」、「これでは読解力が低下するのは当たり前だ」といった調子です。

しかし、実際には読書量ゼロの生徒だけを比較すると日本の生徒の成績はトップなんですね。

むしろ、日本では読書量の多い生徒の成績のほうがぱっとしません。

日本では読書量と読解力の間には因果関係が見られないんです。

その原因は不明ですが。

ただ、一般的に言って、1日の読書時間が2時間を越えると成績が落ちるようです。

つまり闇雲に読書ばかりしても、娯楽としてはともかく、それ以上の効果は期待しないほうがいいということです。

長くなったので続きは明日。

では。