酔っぱらうと、外観的にハンディを持つ人(非常に慎重な表現です)も美人に見えるようになるとよく言います。
この現象をビール・ゴーグル効果と呼ぶのですが、これを科学的に解明しようとの試みが行われています。
以下の説明は外国での研究なので、日本人には若干ぴんこない点もあると思いますが、ご寛恕ください。
マンチェスター大学の研究者たちによれば、ビール飲みの目に美人が見えてしまうのは、アルコールの総量だけのせいではないとのことです。
酔いに加えて、バーやクラブの明るさ、酔っぱらい自身の視力、および部屋にたなびくタバコの煙の程度を考慮しないといけません。
もちろん、見る人と見られる人の距離も重要です。
これらが相乗して、人を普段よりも魅力的に見せるわけです。
これを方程式で表すと下の式になります。
β = (An)^2 × d(S+1) / √L × (Vo)^2
ここでAnはアルコール消費量、Sはバーやクラブの空気の汚れ、Lは対象女性に対する照明量、Voは視力、dは女性との距離です。
効果の大きさを示すβ値は1以下から場合によっては100以上にまで跳ね上がります。
たとえば、通常の視力を持つ男性がビールを5パイント(約2.8リットル)飲み、やや空気の汚れたかなり薄暗い部屋で1.5m離れた女性を見ると、βは55になります。
これは中程度のビール・ゴーグル効果の影響を被っていることになるそうです。
方程式の値βが1以下ではこの効果は働いておらず、1と50の間では今ひとつの人でも、「そう見苦しくない」と思うようになります。
50を超えると突然、冴えない人を魅力的と感じるようになり、100を超えるとどんなにあれな人であってもスーパーモデルに見えるんですね。
ただし、100なんて言うと、ぐでんぐでんで煙草の煙で目の前のものもろくに見えないくらいの状態のはずです。
長生きできないだろうなあ。
それはいいとして、調査によると多くの人(68%)が、酒場で知り合った人に電話番号を教え、後でその人間が全然魅力的ではなかったことに気付いて、大いに悔やんだ経験があるとのことです。
まあ、酒の上の過ちでもそれがきっかけで幸せになることもないわけではありませんから、このビール・ゴーグル効果も必ずしも悪いことではないかも知れませんが。
では。
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