たとえば「ソムリエ」なんて言葉も今では誰でも知っていると思いますが、私が翻訳を始めたころには一般の日本人には全然なじみがなかったと思います。
ある程度高級そうなレストランで「ワインは何がありますか」と訊くと「赤と白がございます」と答えたという笑い話があった時代ですからね。
そう言えば、食器関係の翻訳をした時も知らないものばかりで困りました。
今ではピッチャーなんていっても投手ではなく、大型の水差し(ビールやワインを入れることもある)だとわかるでしょうが、当時は見たことも聞いたこともなかったので、ワイン入れとするしかありませんでした。
テストヴァンにいたっては今でもあまり知られていません。
ソムリエが胸からぶら下げている試飲用の道具のことですが、これは本当にどうしようもないのでそのままカタカナで書いておきました。
もちろん、括弧をつけて説明はしますが、あまり多いと目障りですし。
それから分野は違いますが「セルライト」にも困りましたね。
もう30年以上前のことで、有名な化粧品会社の依頼で翻訳したのですが、皮下脂肪とどう違うのかがわからない。
フランスでは当時から美容の専門家には注目され、一般女性も知っていましたが、日本で採り上げられるようになったのはごく最近のことでしょう。
こんな具合に、翻訳をしている専門的な言葉を結構覚えるのですが、普通の生活ではほとんど使わないので結局無駄な知識ですね。
では。
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