ある日本の映画監督が「日本映画に未来はない」と言っていました。
そうでしょうね。
ただ、その理由として一番先に上げるべきは、日本でCMが占める重要性でしょう。
日本では女性タレントや女優のもっとも重要な収入源はCMなんですね。
1本数千万円、多い人は10本以上やってますから、数億円も稼げる。
ドラマ出演なんて単に顔を売るためだけ(思い浮かぶ人が何人もいるでしょう)。
ベッドシーンはもちろん、過激なキスシーンもNG。
イメージが壊れるような役は絶対にやりません。
当然ながらドラマにしろ、映画にしろ、生ぬるい演出しかできないことになります。
この構造が変わることはないでしょうから、今後も日本でおもしろい映画ができる可能性は非常に低いと言わざるを得ません。
日本の映画がどうしようもないもう一つの理由は、いわゆる制作委員会方式でしょう。
要するに出資企業の集まりなのですが、資金回収のために、リスクを避け、作品をできるだけ当たり障りのないものにしようとするんですね。
一番手堅いのが、有名ドラマやマンガの映画化です(DVDその他もろもろで映画自体がヒットしなくても元は取れます)。
これはファンを相手にしているものですから作るのに苦労が要らない。
脚本は安直そのもの。
もともと、日本人はたとえばアメリカ人に比べると映画をあまり見ないのですが、強いて言うなら、一番見るのは若い女性です。
だから何かと言えばお涙ちょうだいものや恋愛ものばかりになってしまう。
これでは映画に若い才能が集まるはずがありません。
こうした状況が続く限り映画に未来はないでしょう。
では。
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