大抵の人の自己評価は甘い(続き)

昨日の続きです。

では、なぜ能力の低い人は自分を高く評価する傾向があるのでしょう。

研究では以下のように説明されています。

まず、能力の低い人は自分のレベルを正しく評価できない。

他人のスキルも正しく評価できない。

だから、自分を過大評価する。

というわけです。

また、おもしろいことに、この傾向を初めて知った人の多くが「たしかに自分を勘違いしている人はいますね。身近な人の顔が具体的に思い浮かびます」と答えます。

つまりほとんどの人は「自分が該当する」なんて考えず、自分を棚に上げて、他人のことだと思うんですね。

ただし、注意すべきは、能力の低い人でも訓練を積めば、スキル不足に気づき自省もできることです。

言い換えれば、能力の低い人は本当に無能なのではなく、現時点では未熟なだけで、成長の余地があるんですね。

過剰な自己評価は、初心者に現れやすい自然な心理的傾向と言えるでしょう。

「無根拠な自信」は今後の潜在能力を開拓していくための駆動力として働きます。

とすれば、初心者の「勘違い」をいちいち修正して出端をくじくのは必ずしも正しい指導法とは言えないでしょう。

上手く指導して伸ばすべきなんです。

ある程度経験を積んだ人となると話は違ってくるでしょうが。

では。