昨日の続きです。
もう一つの実験はもっとおもしろいものです。
「自分は社会的地位が高い」と思って行動をしてもらうんですね。
すると、下流階級の人でも貪欲さが増し、非道徳的な態度になります。
つまり、モラルの低さは生まれつきではなく、その地位が作ったものだということです。
さらに「金欲があることは悪いことでない」と付け加えると、下流階級者の尊大ぶりは実際の上流階級よりもさらにひどいものになりました。
人間の持つ醜悪な心理を見事に浮き彫りにした実験結果ですね。
ややずれますが、脳は労せずに手に入れたものよりも、何らかの対価を払って入手したものを好むと言われています。
たとえば、レバーを押すとお菓子が出てくる場合と、何もしないでも手に入る場合、人はどちらを選ぶと思いますか。
実験では、就学前の幼児ではほぼ100%の確率でレバーを押します。
成長とともにレバーを押す確率は減っていき、大学生になると五分五分の選択率となりますが、やはり、完全に利益だけを追求することはありません。
要するに人は労力を伴わない報酬にはあまり惹かれないということです。
贅沢三昧で悠々自適な生活は、誰もが憧れます。
しかし仮にそんな夢のような生活が手に入ったとして、本当に幸せにはなれないということでしょう。
では。
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