今、80年前に書かれた「君たちはどう生きるか」という本がベストセラーになっています。
いろいろなところで取り上げられていますからご存じの方も多いでしょう。
簡単に説明すると、これは中学2年生の少年とそのおじさんが人生の問題についてやりとりをするという話です。
私はこの本はテレビ番組を通じて知っただけですが、それでもなんと言うか、つっこみどころが満載なんですね。
なぜ評価されているのかさっぱりわかりません。
たとえば、主人公の少年は「コペルニクスみたいに、まわりの人にどれだけ間違っていると言われても、自分の考えを信じぬける立派な人間に僕もなってみたい」と言います。
これに対して、おじさんはノートに書いた次ようなメッセージを書きます(基本的には主人公の質問に対して、おじさんがノートに返事を書くといった形を取っています)。
「教えられたとおりに生きて行こうとするならば、いつまでたっても一人前の人間になれない」
そして、これに「16世紀のヨーロッパでは、地球がすべての中心であり、その周りを太陽や星が回る天動説が常識でした。
しかしコペルニクスは、地球が太陽の周りを回っているという地動説を唱えます。
これは教会の教えに反するため、コペルニクスは迫害を受けたのです。
それでも自らの信念を貫き、自分の考えを主張し、それがのちに認められました」
との説明が付きます。
なるほどねえ、しかしこれは結果を見て言っているだけでしょう。
他にも周りから反対されても自分の意見を絶対に曲げなかった人は多数いたと思います。
今でも本当に沢山います。
彼らはすべて正しいのでしょうか。
そんなことはありませんよね。
普通は頑固だとか、下手をすると変わり者扱いです。
上に書いたようにコペルニクスという希有な例だけを取り上げて一般化しているわけで、そんなことを信じて真似したら、社会から落伍してしまうでしょう。
もう少し続きます。
では。
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