裁判所の通訳

メールを見ていると裁判所関係の通訳の募集の話がありました。

しかし、かなり報酬が安いようです。

ううむ、これでは応募するのは経験のない新人か、他に仕事がない人でしょう。

それだと通訳の精度に疑問が残ります。

そう云えば、かなり前に観た海外ドラマでは、通訳ミスで裁判が無効になるなんて話がありました。

英語とフランス語の通訳だったのですが、陪審員にフランス語がわかる人間がいて、訳が間違っていると指摘するわけです。

そんなこと言われてもねえ。

裁判の通訳は緊張する上に時間をかけることもできません。

環境も良くないでしょうし。

微妙なニュアンスなんかなかなか正確には訳せません。

大体、結構時間をかける翻訳でも誤訳を避けることはできませんからね。

私も何回か裁判の通訳の経験があります。

たとえば、知り合いがある民事裁判で被告になったので通訳を頼まれたことがあります。

日本ではどうかは知りませんが、フランスでは、法廷で通訳をする場合には、法定翻訳者がこれにあたらないといけません。

私は法定翻訳者の資格を持っていなかったので、裁判長は最初は駄目だと言ったのですが、被告がフランス語がまったくできなかったため、仕方なく私の通訳を認めました。

ただし、裁判長は、裁判記録に通訳者は被告の友人で、法定翻訳者ではないと記載するように命じましたが。

この裁判の話もなかなか面白いのですが、テーマからずれますので、また別の機会にお話します。

しかし、これから国際犯罪が増えると取り調べや裁判はますます大変になるでしょう。

だから通訳を募集したのでしょうが、費用をけちっている場合ではないのでは。

では。