ボランティアの問題(続き)

昨日の続きです。

東京オリンピックが一番の好例でしょうが、どうもボランティアの名の下に人の好意を利用しようとする人間が沢山いるようです。

実は私にも経験があります。

20年以上前、私がパリで仕事をしていた時のことです。

ある京都の陶芸家(便宜上、以下T氏と呼びます)からコンタクトがありました。

T氏は途絶えてしまった高麗青磁を復活させたことで有名だそうで、作品展と講演をパリのユニセフ本部とギメ東洋美術館でやりたいから手伝って欲しいと依頼してきました。

そして、作品展や講演会にかかる費用をできるだけ節約し、人手に関してもすべてボランティアで済ましたいとのこと。

しかし、パリで直接会って話を聞くと、T氏は会社も経営していて100億円の資産を持っていたんですね。

飛行機はファーストクラス、ホテルも最高級、その上、毎日祇園で豪遊し、自分の着ているスーツは80万円もすると自慢していました。

そんなに裕福で遊びや洋服に金を使うのなら、なぜ、ボランティアを利用しようとするのでしょう。

単にケチっているだけとしか考えられません。

そう言えば、ビジネスとして仕事を引き受けた私に、文化事業で金儲けすると嫌味を言ってました(通常より低い料金を提示したのですが)。

この話には、T氏がとんでもないくわせものだっという落ちがつくのですが、それはまた別の機会に。

この他にも、主催者側が威張り腐っていて、ボランティアの人たちにろくに宿泊や食事を与えずに、顎でこき使うなんて話を聞いたことがあります。

私は、ボランティアシステム自体を決して否定するものではありませんが、やはり労働には正当な報酬を支払うのが当然ではないでしょうか。

少なくとも馬鹿な無駄遣いをしたり、主催者側の人たちが贅沢なホテルに泊まり、豪勢な食事をしている一方で、ボランティアの人たちをまるで下働きのように扱うことは止めるべきでしょう。

では。