都会の絵の具に染まらないで

ある女性作家が言っていたのですが、「木綿のハンカチーフ」の歌詞に出てくる女性のことを、昔は純粋で可愛い女の子だは思っていたが、ある程度、年齢を重ねると、自分の価値観を相手に押し付ける、面倒臭い女性で振られて当たり前だと思うようになったと言っていました。

まったくその通りですね。

この曲は、大ヒットしましたし、覚えている方も多いでしょう。

簡単に言うと、この歌は、地方で恋愛関係にあった恋人同士が、彼氏の上京をきっかけに遠距離恋愛をすることになったものの、次第に心が離れていくという話です。

まず最初に、上京を前にして「都会で君への贈り物を探すつもりだ」という彼に対して、彼女は「何も欲しいものはないから都会の絵の具に染まらないで帰って」と答えます。

そして、彼が「君に似合うはずだ」といって都会で流行の指輪を贈ると、彼女は「ダイヤも真珠もあなたのキスほどきらめくはずない」と言ってこのプレゼントを拒否。

さらには、彼が「見間違うようだろう」といってスーツ姿の写真を送っても、「草に寝転ぶあなたの方がよかった」とまっこうから否定するんですね。

ううむ、これでは振られて当たり前でしょう。

要するに地元での暮らしが一番良くって、都会の生活は堕落しているというわけです。

まあ、それぞれの価値観がありますから、彼女は自分の信じるように生きればいいでしょう。

しかし、その考え方を恋人に押し付けて足を引っ張るようなことばかりしていたら、愛想をつかされるのも当たり前です。

新しい生活を始めようとする恋人を応援できないように女性とは付き合っていられない。

私は昔のポップスの歌詞によく出てくる、「あなたはあなたのままで変わらないでください」というのも嫌いです。

要するに自分の都合のために、あなたは成長するなと言っているんですから。

ただ、こういった地元万歳といった感じの歌詞は、やはり時代を反映しているのでしょうね。

最近の歌には詳しくありませんが、恐らくこんな歌詞はもう流行らないでしょう。

では。