ニュータイプの迷信

かなり前のことですが、あるタレントが「オカルト・心霊現象はこの世にないと憲法に明文化すべきだ」といった発言をしていました。

占いは根拠がないから信用できないとも主張。

この意見に賛成する人は多いでしょう。

しかし、そんな人たちでも心理学や精神分析については信じているのではないでしょうか。

一見科学的ですからね。

たとえば、近頃は、何か事件や問題があればすぐにトラウマやストレスその他の精神的な原因を言い立てて、何かを説明したような気になっています(最近ではPTSDが大流行)。

ところが、心理学の学説にはほとんど根拠がなく、その客観的正当性を証明できないものが多いのです。

精神分析も20世紀前半の精神医学・心理学・人文分野に多大な影響を及ぼしたものの、今では薬物療法の発達に伴いその影響力が遥かに低下しているのが現状です。

また、科学の姿を装ってはいるものの、本当はまるっきりの迷信としか云えないものも世の中には多く見られます。

そのもっとも良い例がゲーム脳でしょう。

ご存知だとは思いますが一応説明すると、「テレビゲームをやり過ぎると、脳が認知症患者と同じようになっていく」との説です。

これを無批判に信じている人が多いのではないでしょうか。

確かに、ゲームに熱中する子供を苦々しく思っている大人から見れば、非常に都合のいい説であることは間違いありません。

しかし、実はこれは最新の脳研究ではまったく省みられることのない説なんです。

テレビなんかでもたびたび紹介される早期教育も同じことです。

早い時期の脳への刺激によって、場合によってはある種の能力が発達するかも知れないが、

常に早期教育が有効とは限りません。

教育に熱心な親たちはこうした教育に飛びつきますが、実際には、脳科学においては早期教育の有効性は多いに疑問視されています。

オカルトには厳しい目を向ける人たちも、こうしたニュータイプの迷信には簡単に騙されることが多いようです。

では。