最近の上下関係(ご近所騒音トラブル)

少し古いニュースですが、なんでもマンションの上の階に住む幼児の騒ぐ音がうるさく、精神的苦痛を受けたとして、東京都内の男性が、幼児の父親に240万円の損害賠償を求めた訴訟が東京地裁であったそうです。

当時3〜4歳だった男児が、毎日、午後7時ごろから深夜まで廊下を走ったり、跳びはね、その音は50〜65デシベルと都条例の定めた騒音レベルを超えていました。

そして、この状態が平成16年2月、被告家族が引っ越してきてから17年11月に転居するまで改善されず、原告男性の注意にも被告家族は乱暴な口調で対応したとのことです。

裁判官は「被告の住まい方や対応の不誠実さを考慮すると、騒音は受忍限度を超えていた。夜間や深夜には騒音が階下に及ばないように、長男を叱るなど住まい方を工夫し、誠意ある対応を行うのが当然」と述べ、慰謝料など36万円の支払いを命じています。

この問題は難しいですね。こういう足音だけではなく、ピアノの音や犬の鳴き声なんかが迷惑だとして問題になることは良くあります。

しかし、日本のように近所付き合いを重視するところでは、普通はなかなか裁判までは行きかないようです。

原告の男性もよほど頭に来たんでしょう。また、上に書いたように被告側の対応の悪さもあります。

テレビでも取り上げていたのですが、原告の奥さんは不眠症になったと言っていました。

実は私にも経験があります。

パリに住んでいた時のことですが、当時はまだ結婚していまして、子供が2歳くらいでした。

まず、簡単に建物の説明をしますと、6階建てでかなり古いんですが(築100年以上)、フランスですから石造りでそれほど音は響かなかったはずです。

また、カルチエ・ラタンという繁華街のど真ん中にありましたから、街の騒音が深夜まで聞こえてきました。要するに元々そんなに静かな環境ではなかったということです。

ある時、真下の部屋にフランス人女性が入居しました。パリのことですから、別に引越しの挨拶なんかしませんし、普段でも顔を合せることはほとんどありません。

それでしばらくは何もなかったんですが、ある日彼女が突然、私たちの部屋まで子供の足音がうるさいと文句を言いに来ました。

こちらが迷惑を掛けたほうですから、客観的な判断とは言えないかも知れませんが、そんなに大きな音は立てていたとは思いませんし、時間的には四六時中ではなかったと思います(妻も働いていたので大体7時から9時くらいまででしょう)。

長くなるので続きは明日。

では。