フランケンシュタインとその怪物の物語(2)

昨日の続きです。

ところで、小説「フランケンシュタイン」のストーリーはあまり知られていないと思いますので簡単に紹介しましょう。

19歳のヴィクター・フランケンシュタインは、母親の死に直面し、生命の謎を解明することを決心します。

この19歳との設定には驚きますが、昨日も書いたとおり作者のシェリーも19歳の時にこの作品を書いていますから、彼女にとっては当たり前だったのかな。

話を戻して、ヴィクターは大学でカミナリの膨大な電気エネルギーを利用して死人をよみがえらせる研究を進めます。

最終的に実験は成功するのですが、フランケンシュタインは自らの創造物の醜さに驚き、そして生命を作り出すということの罪深さに耐えきれなくてって逃げ出してしまいました。

見捨てられた怪物は当然ながら人々からは受け入れられず、山小屋に隠れ住みます。

そこで人の生活を盗み見て、自分の孤独を知った怪物は、フランケンシュタインに会いに行き、伴侶を作るように懇願。

そう言えば、「フランケンシュタインの花嫁」という映画もありまして、これもなかなか面白いですよ。

しかし、一度は引き受けたフランケンシュタインも再び生命を作り出すことの罪深さにおびえ、また、怪物が子供を作り増えることによって人類が脅かされると考えて、約束を破ります。

そのため怪物は激怒し、フランケンシュタインの幼い弟、親友、そして彼の最愛の新妻まで殺してしまう。

彼だけが幸せになるのが許せなかったんです。

すべての係累を殺されて復讐の鬼と化したフランケンシュタインは、怪物を追いかけます。

なんと北極まで追いかけるんですが、結局、疲れ果てて死亡。

それを見た怪物はフランケンシュタインの死体を抱いて、一緒の氷原に消えていきます。

終わり。

蛇足を書きますと、怪物はフランケンシュタインからわざと逃げなかったんですね。

彼を父親と思い、愛憎が入り交じった感情を抱いていたわけです。

しかし、私に言わせれば、すべてフランケンシュタインの責任でしょう。

彼は自分の研究の本当の意味をろくに考えもせずに、生命を作り出し、その結果に驚いて逃げ出しています。

そんなことなら初めからやらなきゃいいんです。

まったく責任感がないというか。しかも、自分が作り出した怪物がをどうなったかも気にもせずに、故郷に帰って結婚します。

その上、怪物の伴侶となる女性の生命体を作るとの約束も反故にしています。

これでは怪物が怒って当然でしょう。まあ、フランケンシュタインの係累を皆殺しにするのはちょっと行き過ぎですが。

まだ書くことがありますので、さらに明日に続きます。

では。