ニンビイな人たち

ニンビイ症候群という言葉があるんですが、ご存じでしょうか。

英語の「Not in my backyard」の頭文字とったもので、「私の家の裏庭には持ち込まないでくれ」という考え方を指しています。

要するに、公益施設の必要性はわかっているし、自分たちも利用したいが、自分の家の近くに建設するのは許さないという住民エゴのことです。

これに関して、最近もこんなニュースがありました。

京都で身元引受人のない仮出所者の受け入れ先として新たに国立の自立更正支援施設を建設するとの計画があります。

これに対して、建設予定地周辺の住民達が反対しているんです。

「施設の社会的な重要性はよくわかるが、ここに建てる必要があるとは思わない」との主張です。

反対の理由は怖いとか、地価が下がるといったもので、基本的には無知と欲から来ています。

そして、こうした事例は決して例外ではなく、全国的に見られます。

たとえば、老人ホームや知的障害者の施設の建設にまで反対する人がいます。

これも理由は、地価が下がる、お年寄りや知的障害者の人たちを見たくない、環境が悪くなるといったところです。

こうした公共の利益なんか糞食らえ、自分さえよければ良いなんてことは、昔は思っても口には出せなかったのですが、どうも最近は留め金がはずれてしまっているようです。

そして、情けないことに、こうしたことを言い立てているのは大抵いい歳したおじさんやおばさんなんですね。

まあ、正直と言えば正直なんでしょうが、厚顔無恥としか言えません。

こんな人たちが、一方で道徳だの教育だの、最近の若者はといった話を平気でするわけです。

これでは世の中が悪くなっていくのを止めることはできないでしょう。

子供は大人の背中を見て育つんですから。

では。