ペットの話(4)

そう言えば、ペットに関連して、少し前の小説「食堂かたつむり」に衝撃的なエピソードがありました。

多分、かなりの人がショックを受けると思います。

(以下、ストーリーに触れますので、これから読もうと思っている人は無視してください)

主人公の女性がペットとして可愛がっていた豚(名前はエルメス)を食べてしまうんです。

豚は犬や猫と違い、一般的には食用家畜とされていますが、最近はペット用の豚もけっこういます。

主人公もエルメスを手塩にかけて世話をしてきました。

もともとは母親が愛玩用として飼い始めた豚の世話を押しつけられたんですが。

毎日、餌としてドングリ入りのパンを焼いて与えたり、調子が悪そうな時は添い寝までします。

しかし、本来の飼い主である母親が死期を悟り、可愛がっていたエルメスを残すのは可哀相だと考えるんですね。

この辺のことはよくある母子心中と同じ心境なのでしょうか。

私にはよくわかりませんが。

その意を受けて、主人公は自ら手を下して、エルメスを殺し、解体し、料理します。

そして母親やその友人を集めてすべて食べてしまいます(目玉と蹄以外は)。

この辺の描写もかなり細かいので気の弱い人には厳しいかもしれません。

主人公は料理人で動物や植物は食材として人間が誠意を込めて料理し、食べることでその命が浮かばれると考えています。

この考え方は正しいとは思いますが、その対象がペットとなると事情が違うような。

もう少し続きます。

では。