若者の出世欲

かなり古いデータで恐縮ですが、財団法人「日本青少年研究所」の「高校生の意欲に関する調査−日米中韓の比較」によれば、日本の高校生は米中韓の高校生よりも「出世意欲」が低いそうです。

「将来就きたい職業」では、公務員を選んだ高校生が、日本では前回調査より約22ポイントも減少するなど、日本の高校生は米中韓に比べて明確な目標を持てないらしいんですね。

「偉くなりたいか」という問いに「強くそう思う」と答えた高校生は中国34.4%、韓国22.9%、米国22.3%に対して、日本はわずか8.0%です。

卒業後の進路への考えを一つ選ぶ質問では、「国内の一流大学に進学したい」を選択した生徒は、他の3国が37.8〜24.7%だったのに対し、日本は20.4%にとどまっています。

また、将来就きたい職業(複数回答)では、日本は99年調査よりも弁護士や裁判官、大学教授、研究者の割合が低下しています。

特に、公務員は前回の31.7%から大幅減となる9.2%で、逆に「分からない」を選んだ生徒が6.2ポイント増の9.9%になっています。

なんだか何かと言えば最近の若者を批判する大人が聞いたら喜びそうな調査結果ですね。

やっぱりあいつらは無気力なんだとか(実際にテレビではこのようなコメントをしていました)。

しかし、将来、公務員になりたい高校生が減ったことはそんなに問題ではないでしょう。

特に、官僚は日本を悪くした元凶ですから、なりたいなんて思わない方が健全だと思います。

それから、弁護士や裁判官、大学教授、研究者なんかにもなりたくなくても別に構いません。

偉くなるのがこれらの職業に就くことだとの考えも随分短絡的ですが、大体偉くならなければいけない理由もありませんからね。

他人の人生なんだから放っておけばいい。

大体、若者に夢がないとすれば、それは大人の責任です。

これからは格差社会がさらに進み、金持ちや高学歴の家庭の子供は親の後を継ぎ、それ以外の中流階層以下の家庭の子供は一生浮かぶ機会を持てなくなるでしょう。

そんな中で無邪気に偉くなりたいなんて言える方がおかしいと思います。

では。