「透明のゆりかご」(2)

続きです。

昨日書いたストーリーの改悪の例を一つ上げると、最新エピソードでは義理の父親(母親の再婚相手)による性的虐待がテーマになっていましたが(被害者は小学校5年生)、母親の対応が原作とドラマでは違います。

ドラマでは事実を知った母親は父親を警察に訴えますが、原作では警察に通報しないことを条件に父親は離婚に応じるとなっています。

私の考えでは、警察に通報しないほうが現実に即していると思います。

セカンドレイプ等の多くの問題から、警察に訴えても被害者が余計に傷つくだけで、ほとんど何にもならないんですね。

被害者は、学校で周りから変な目で見られるでしょう。

孤立したり、いじめられることも考えられます(残念ながらそうしたことが本当にあるのです)。

また、母親は近所づきあいもできなくなる可能性もあります。

ドラマでは、母親はそんなことをした夫を絶対に許せないと言います。

たしか、できればこの父親を罰することは必要でしょう。

しかし、それは母親の気持がすまないからでは意味がない。

被害者である女の子のことをまず考えないと。

そこまで徹底的に考え、悩んだ上での決意ならわかりますが、少なくともドラマではそうした葛藤を描かれていませんでした。

これはではとても納得できません。

もう一度繰り返しますが、安易な感動を呼び起こすための改悪が多いと思います。

もう少し続きます。

では。