おとぎ話は良くない(4)

続きです。

ついでですから、おとぎ話や小説等にちなんで名付けられた症候群(シンドローム)をいくつか紹介しましょう。

いつか大人になる日を夢見ながら、しかも同時にいつまでも子供のままで過ごしていたいと考えて、親の庇護の下の、安心して暮らしていける環境で、社会参加せず、就職せず、結婚せず、子供も育てない。

そういう人の状況をピーターパンシンドロームといいます。

近親者による過保護への依存・マザーコンプレックスの延長・幼少期に受けたいじめもしくは虐待による過度なストレス・社会的な束縛感・孤立感・劣等感からの逃避願望・物理的なものでは脳の成長障害が関係しているのではないかと考えられています。

オセロ症候群は、自分の配偶者や恋人または愛人の不貞に関する妄想、つまり嫉妬妄想または病的嫉妬が主徴となっている病態です。

配偶者や恋人に対する具体的根拠のない強い嫉妬心と合わせて、浮気に対する妄想が特徴的に見られ、いつも、相手から自分は裏切られるのではないか・相手から惨めに見捨てられるのではないかという不安を抱いています。

これはご想像の通り、シェイクスピアの戯曲「オセロ」の主人公名に由来しています。

ただし、日本ではあまり聞きません。

単に嫉妬妄想と表現されることが多いようです。

これも日本ではあまり聞きませんが、ポリアンナ症候群というのもあります。

現実逃避の一種で、ポジティブシンキングの負の側面を表すものです。

1913年にエレナ・ホグマン・ポーターが書いたベストセラー小説「少女パレアナ」に由来しています(テレビアニメ「愛少女ポリアンナ物語」で知られています)。

一般的には「直面した問題の中に含まれる(微細な)良い部分だけを見て自己満足し、問題の解決にいたらないことや常に現状より悪い状況を想定して、そうなっていないことに満足し上を見ようとしないことを指します。

こんな人が結構いますね。

まあ、なになに症候群だなんて知ったところであまり意味がないかも知れませんが。

では。