サブリミナル効果の話

今日は、前に書いたサブリミナル効果の話をもう一度取り上げます。

まず、サブリミナル効果を簡単に説明します。

サブリミナルとは、要するにフロイトが最初に唱えた人間の心を構成する二つの意識のうちの一つで、潜在意識のことです(もう一つは顕在意識)。

この潜在意識になんらかのメッセージ(潜在意識に訴えるわけですから、通常では知覚できません)を送ることによって、マインド・コントロールができるとの考えがサブリミナル効果です。

音楽や映像に入れたサブリミナル・メッセージによって人間の行動や心理状態をコントロールする研究は、1950年代のアメリカで始まりました。

たとえば、映像のコマとコマの間にサブリミナル・メッセージを織り込みます。

するとこの映像を見た人は、無意識下で知覚されたメッセージによって行動を起こすと云うわけです。

そして、これを一気に有名にしたのが、1957年にマーケティング・コンサルタントのジェームズ・ヴィカリが行った実験です。

この実験では、ニュージャージー州フォートリーの映画館で上映された映画「ピクニック」のフィルムに「コーラを飲め」「ポップコーンを食べろ」とメッセージが写ったコマを5分ごとに繰り返し挿入し、売上に影響があるかを測定し、効果が見られたとされています。

しかし、この実験には、実はどのような環境で行われたかについてのきちんとした論文は存在していないんですね。

そのため、翌1958年にカナダのCBCテレビが確認のために、30分間に352回のサブリミナル映像を流し、視聴者に影響があったかを連絡するよう要請しました。

すると番組終了後にポップコーンが食べたくなったや、喉が渇いたとの電話が沢山寄せられたんです。

しかし、実際にはサブリミナル映像は「電話をかけろ」とのメッセージでした。

これではとても効果があったとは言えないでしょう。

明日に続きます。

では。