今日・・・

今日、サロンからの帰り、
銀行に寄っていると、バスが来てしまった。

急げ!!!
同じく数人が走り出す。

私の前に、黒いコートの女性が小走りに走っていた。
ブーツのヒールの独特の音がしている。

私はヒールが無いのでやや走りやすい。
バスまで、あと1メートルの所で思わず追い越してしまった。

仕方ない、そのままバスに乗り込む、
直ぐ背後にブーツの音がしていて、その女性もバスに
乗り込んできた・・・。はずだ、

私は乗り込んだと同時に入り口近くの座席に座ろうかと目を配る。
が、同時に私の後ろが何だか急にスッとして誰も乗り込んで来ない
事に気付いた。

え?
その女性が急にバスを降りて行った訳もなく、なにせ、
私に続きバスのステップに登ったブーツの音がしていたのだ。
が、居ない・・・。

もちろん、バスの中も、すぐに窓の外も確認もした。
なぜそんなに気にするかというと、直前で追い越してしまい、
その方に申し訳ない気持ちがあったからだ。

バスの中には同じ黒のシンプルなコートを着た女性はいない。
気のせいでは無い。

シャーベット状の雪の上を、少し引きずるような感じで
走るブーツの音が、妙に耳に残っている。

真冬の夕方の「怪」かな?