ついに、運命のすみかを知っている仙人に出会いました。
「彼の家は山の頂上だよ」仙人はいって、遠くを指さしました。
「しかし、彼に会っても向こうが話しかけるまで黙っているように。
そして彼がすることは、ことごとくまねするのだよ」
貧乏な男は仙人に礼を述べて、
運命の城へ登っていきました。
そこは壮麗な宮殿で貧乏な男が入っていくと、
運命は豪華な夕食をとっているところでした。
しばらくすると、運命がベッドに入ったので、
男はついていき床に眠ました。
夜中に騒々しい音が城を揺るがし、声がこう叫びました。
「今夜、たくさんの魂が世の中に出てきたぞ、運命。
彼らはおまえの贈り物を持っている。
運命は起き上がり、美しいたんすの
ところに行くと金や宝石を取り出し、
それを右に左に放り投げました。
「新しい魂には、今日、わたしが楽しんだだけの恵みをやろう。
彼らは一生、今のわたしのように暮すだろう!」
貧乏な男は無言のまま、すべてを見ていました。
翌日、男が目を覚ますと、美しい城は消えていました。
代わりに、ありふれた家が建ち、
運命はその夜の食事をしていましたが、
ゆうべのような豪華な食事ではありません。
それでも肉とパンは豊富にありました。(つづく)
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