とある温泉

避暑地のとある温泉旅館での話です。

この旅館では、夜中、好きな時に温泉に入ることができました。

ただ、宿泊する場所と温泉が離れていまして、長いトンネルの様な場所を通らないと、温泉にいけないので、ちょっと夜中ひとりで温泉に行くのは怖いかな、と思いつつも、せっかくなので温泉に入ることにしました。

確か夜中の1時くらいだったと思います。

長いトンネルを抜けて温泉の脱衣所を開けると、やはり夜中なので誰もいない様子でした。

服を脱いで、ガラガラと戸を開けると、湯けむりが立ち、最初はよくみえなかったのですが、温泉に先に浸かっている何かがいました。

人間、ではなかったです。

緑色に見えたので、私は河童だと思いました。

河童が温泉に入るとはびっくりしました。もちろん、それ以上近づく気にはなれず、そのまま脱衣所に引き返してまた服を着て、戻りました。

妖怪は私たちと同じ空間に存在しているんですよね。でも河童とお風呂には入る勇気はなかったです。