没入感との距離

今日から師走。
今年は本当に感情を揺さぶられ続け、気を休める暇がない、疲れる一年でした。
世界的な情勢も安定せず、来年はますます混迷を窮めて行くことでしょう。

ですが私達はそんな中でも、普通に生きて行かなければいけません。
そこで私が実践しているのが、「読書」です。
もちろんタブレットなどは使用せず、紙の質感を指で感じながら、その世界観に入って行くのです。
そして一時集中し気持ちを切り替え、実生活に戻ります。
この一連は、あくまで体感を伴った作業である事がポイントです。

メタバースの世界に浸る"没入感"という言葉がありますが、私はそちらの業界は医療など専門的な分野を除き、一般にはさほど普及しないのでは?と思っています。
META(旧名Facebook)が、酷い赤字に転じた事がそれを如実に表しています。
また没入する時間が長くなるほど、生身の機能や思考力が衰え、結果的に人類の生命力そのものが衰退してしまうと、私は危惧しています。

やはり人間に生まれたからには、自分自身の身体や五感をフルに活用し、生きる事からしか、本当の喜びや満足感は得られないと思いますし、傷付いたトラウマがあるとしても、実体験でそれを上書きしない限り、次の段階にいつまでも進めず、結果的には何年も同じ場所から抜け出せないままになってしまいます。

"没入感"に逃げるのではなく、それは程々に楽しみつつ、自身の生きた身体や心も鍛える事で、これからの困難な時代をタフに生きて行きたいと思う、一之瀬でした。


12.1.2022