虫の知らせ

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知人が難病のため長らく入院していた。

昨年秋頃だったか、市街地にある病院へ見舞いに行ったとき、彼は余命2、3年だと医師から宣告されていた。

それでも懸命に生きようとしていた。

声がほとんど出なくなってしまったため、彼との意思疎通は大変だった。

私は口頭で伝え、彼は50音や数字を指で差しながら意思を伝えようとしていた。しかし、手が震えていたので、どの文字を差しているのかもわからないことも多かった。

体は痩せこけていて、車イスでの移動も容易ではなかった。彼の姿を見ながら、医師の余命宣告は、励ましの意味も含めて"長め"だと思った。

年始いらいバタバタしていて、申し訳ないことだが、彼のことはあまり気にもとめてなかった。

ところが、昨日ふーっと彼のことが脳裡をかすめた。

「そろそろ会いに行かないと...」

今朝、共通の知人から電話があった。

その知人とは一年くらい会っていない。

「Tさん亡くなったの知ってますか?」

年始の挨拶が"訃報"となってしまった。

いま思えば、昨日ふと思い出したのも、霊界からの知らせかもしれない。

一般的には"虫の知らせ"というのだろうが。

知人とは言っても、もともとは占いのお客様であり、ある時期は占いの生徒さんだった。

肉体は亡くなっても、霊体は無くならない。

"永眠"という言葉は適切ではない。霊界へ旅立ったのだから"他界"したのだ。

またいつかあの世で会えるだろう。それまで一時的な別れだ。悲しんでも仕方ない。