脱北者

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脱北者こと北韓離脱住民が、軍事境界線近くの韓国・坡州から、北朝鮮の金正恩体制を批判するビラ50万枚を大型の風船に取り付けて北朝鮮に向けて散布したとのことだ。

それに対して、北は反撃を始めた。

北朝鮮は、一部の特訓階級に属する人達以外は悲惨な生活を余儀なくされている。

20年以上も前のことだが、私が実際に見てきた北朝鮮を少し紹介しよう。

平壌は、形の上では栄えているように見せかけているが、スーパーのような店はあまりない。

タクシーは走っていなかった。インバウンド(外国人観光客)に見せるための"タクシー"が一台あり、常に我々を乗せた観光バス(と言っても、日本製の古いマイクロバスだが)の後を付いてきていた。

観光バスが止まると、必ずタクシーも止まり、客を拾いもしないで、車に持たれかけてタバコで一服する。

まるで「ウリナラ(我が国)にもタクシーがあるぞ」と主張しているようにしか見えなかった。ちなみに、タクシーは新車の日産ブルーバードだった。タクシーとしては小さい。

田舎に行けば、電気も通っていないし、自動車も走っていない。

二人一組で木炭車を動かしている光景をよく見かけた。

道路は舗装されていないにも関わらず、路傍には草一本も生えていない。

なぜか......。

賢明な読者なら察しがつくと思うが、人民が食べ物もないほど飢えに苦しんでいる状況下、草を食べるしか道がないのだ。

パール・バックの小説『大地』に出てくる中国の農村を彷彿させる。

必要のない軍備に金をかけて、人民を苦しませている。

金正恩の妹・与正は、怜悧ではあるが、情のない冷たい顔をしている。

脱北者をゴミ扱いしているが、感情に任せて何をするかわからない。

北朝鮮の人民は、私が接した人達はとても純粋だった。

お世話してくれたバスガイドに、カシオのポケットラジオをあげたら、彼は涙を流すほど感激し喜んでくれた。

モノが豊かでないぶん、心が純粋な人も多い。

悪いのは党の患部、否、幹部である。