前回 悪魔の子供たちを奪われ 神から奪還する決意をする悪魔たちのおはなしをしました
今回はその悪魔たちが神の子と繋がることで
少しずつ変化していく様をおはなししていきます
闘いが長引く中で悪魔の中には疲れ切ってさぼるものも出てきました
その中に殺されるのが怖くて自力で帰ることができなかった悪魔たちが
何体か集まって話をしています
(悪魔Aの声)
「疲れたぜ!もうやってらんねぇよ こんなこといつまで続くんだよ
オレ様だってよぉ 本当は帰りてぇよ でもよぉ 怖くてたまらねぇよ
悪魔のリーダーに捕まったら 殺されるに決まっているからな
それもなぶり殺しだからな この目で見たからな」
(悪魔Bの声)
「ふん ここに生き残ってもオレたち下っ端は地獄だぜ
上の悪魔にこれでもかってくらい こき使われるしかねぇんだからな
ずっとずっとずーっとな
でもエホバの元に帰ったらこの地獄から抜け出せるんだぜ!だろ?」
(悪魔Cの声)
「噂だとな エホバの元に帰った奴らは 赤いぶどう酒をもらったんだってよ
そりゃあ最高に美味かったらしいぞ!
それだけじゃねぇんだよ 家も仕事も もらったって言うんだ」
(悪魔Dの声)
「そりゃぁすげぇわ! 羨ましいなぁ オレも欲しいよ
ここにいるよりよっぽど天国だ
まぁ オレは天国なんて所は知らないけどさ
思い切って帰った方がいいんじゃねぇか?」
そばにいた大勢の悪魔たちは一斉に頷き共感しました
(悪魔Eの声)
「オレは神の子の声を聞くたびに 何だかおかしくなってきたんだよなぁ
力が抜けて 本領発揮ができねぇんだよな」
(悪魔Fの声)
悪魔Eに向かって
「そりゃぁお前やばいぞ! 段々神の子の声にやられ始めてんじゃねぇのか?
そう言っているオレも同じなんだけどな 最近調子悪くてなぁ
神の子の声を勝手に聞きたくなって うずうずしてくる始末よ
まじでオレ ヤバイよなぁ?」
他の悪魔たちは悪魔Fに向かって
「お前 それはまじでやばい!」と心配したのです
この頃 神の子が悪魔たちに直接コンタクトを取り始めた時期であり
毎日のように悪魔たちは神の子の声を聞いていたのです
(悪魔Gの声)
もしかしてオレたちは もうすでに悪魔ですら いられなくなっちまってるんじゃねぇか?」
悪魔Gの声を聞き他の悪魔たちは全員うなだれてしまいました
もう誰も口をきく者はいません
暗闇が広がる夜に獣の鳴き声だけが響き渡っていました
悪魔たちは気が付いてしまったのです
神の子の声を聞いているうちに
自分達がその声にヤミツキになるほど惹かれてしまっていたことを
そして次第に悪魔という存在ではなく 神に近付き始めていたことを
次回に続く
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