連載*恋の大きな落とし穴

151943.jpg恋は、人間関係の中で最もハイレベルなコミュニケーションを要求されて、難しい局面を乗り越えなければ、関係性が深まらない側面があります。つまり、相手に要求したり期待する気持ちが難しい局面を乗り越える障害になりえるものなのです。

誰かに期待されたり、要求される、という気持ちは、人を「しらけさせたり」、「げんなりさせたり」「プレッシャーをかける」作用があるからです。相手に緊張感を与えたり、圧力をかけたりしているわけなのです。

まるで上司のご機嫌を窺うような、あるいは、仕事で誰かを接待するような、顔色を窺う居心地の悪い気分にさせている、というわけなのです。

自分は一言も要求したり、期待するような言葉を発していない、と思うかも知れません。

けれど、そこが大きな落とし穴なのです。

人は小中高生時代に、人間の本質をさらけ出して人と関わりながら成長するわけですが、人間の善悪のバランスの出し方を間違えると、仲間はずれになったり、攻撃されたり、叱られたりする、ということを肌で実感し、空気を読む術などについても学び、大人社会のルールを身につけていき、やがては、本心を隠して角の立たない範囲で当たりさわりのない、表面的な付き合いをこなせるようになるわけです。

けれど、それは会社関係の人間関係であったり、取引先との人間関係であったり、ご近所関係では通用しても、恋人には通用しない側面があるのです。

つづく