恋人関係にかぎらず、「ほしがる」気持ちと「してあげたい」気持ちのバランスが人間関係の良し悪しを決めるところがあります。
人間は自分が損してると感じると、関係が良好にいかなくなり、疎遠になることがままあります。
出会った頃は誰もが一生懸命に自分をよく見せようと努力したり背伸びしたりして、相手との関係を良好に保とうとするものですが、両者の「ほしがる」気持ちと「してあげたい」気持ちのバランスが崩れると、関係が良好にはいかなくなるわけです。
出会った頃のまま、相手に気を使い、相手を優先して、自分を後回しにし、奉仕の心で相手に尽くす、という気持ちを持ち続けるのには、無理があるのです。不自然でバランスを欠いているといえるのです。
一方が喜び、一方は疲れている、という感情が水面下にあるならば、ある時期を境にして、相手の態度が変わる、という現象が起るわけです。
「でも、彼は最初はすごく一生懸命してくれていて、メールも電話もすごくくれて、気持ちにも寄り添ってくれてたんです...なのに、この頃は手を抜かれている気がして...だから、以前の彼に戻ってもらいたいだけなんです」
という女性は、「喜び」を感じていた側で、彼は「疲れていた」側の人であり、一生懸命頑張ることに疲れ、メールや電話をすることに疲れ、気持ちに寄り添うことに限界を感じ、手を抜いたのではなく、本来の自分に戻りたい、無理はやめよう、きっと彼女もわかってくれるだろう、と思っているだけなのかもしれません。
「これだけ頑張ったんだから、今度は彼女が頑張る番だ。今度は彼女に喜ばせてもらいたい、尽くしてもらいたい」、と彼が望むようになった、ともいえるかもしれないのです。
ギブアンドテイクのバランスが崩れて、「テイク」の気持ちがぶつかり合い、奪い合いとなり、関係がギクシャクするようになったわけです。
「でも、私も彼を喜ばせる努力をしたり、彼に尽くしたりしてるのに、彼がちゃんとしてくれないんです」と思う人もいるかもしれません。
その場合は、彼が望んでいないものを捧げている可能性があるのです。
つづく・・・