昨日の話に続いています。
ちょっと前のことですが、日本マクドナルドが「権限のない店長を管理職扱いし、残業代を支払わないのは不当」とした判決が下されました。
原告の男性は、99年に店長に昇格していますが、マクドナルドでは店の運営がバイト主体の実態の中で店長の負担は大きく、過酷な長時間労働を強いられてきました。
早朝から深夜まで調理や接客を行い、残業時間が月100時間以上に及ぶこともあったそうです。
しかし、マクドナルドは「店長は管理職だ」との理由で、名ばかりの管理職を盾に残業代を支払ってこなかったんですね。
また、過労死と思われる死に方をした店長もいるのですが、勤務表を見るとそれほど長時間の残業はしていません。
これもほとんどの店長は、普段から勤怠表に過重労働の痕跡を残さないよう指導をされていたり、上司から小言を言われるのが嫌で改ざんするからなんです。
また、残業時間が月80時間を超えると産業医の面談を受けなければならなくなるのを面倒がる傾向もあるそうです。
こうしたケースは決して珍しいいことではありません。
外食産業やコンビニだけではなく、衣料品業界や、家電量販店等多くの業界で深刻な問題となっています。
要するにどの業界でも、中間管理職への残業代をカットできるという経営者側の思惑が、店長という名前だけの管理職をつくり出しているわけです。
世界的な大企業を初めとして、どの企業もいかに収益が上がろうとそれを給料に反映させることはほとんどありません。
しかも、最近では財界と与党が組んでホワイトカラー・エグゼンプション法(労働時間規制の適用除外)の導入をもくろんでいます。
日本では政治家も企業も労働者のことなんかぜんぜん考えていないんです。
その上、労働組合も今ではまったく何の役割も果たさなくなっています。
私が住んでいたフランスでは労働組合の力が強く、しょっちゅうストライキがあります。
そして、庶民は大変な迷惑を蒙るんですが、あまり文句は言わないんですね。一種の連帯感みたいなものがあるからです。
また、労働者は法律によって厳重に保護されています。
フランスが天国だと言いませんが、少なくとも労働環境に関しては日本よりもはるかにましであることはまちがいないでしょう。
日本は経済的一流国の座を失おうとしていますが、労働条件ではとっくの昔に三流以下なのです。
では。
見せ掛け店長(労働条件の話)
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