ある夕刊タブロイド紙の記事に「純潔の価値」なるタイトルが付けられていました。
元フィギュアスケートの大スターで、現在も大人気の女性を取り上げた記事ですね。
読んでいないので詳しい内容は知りませんが、とにかくこのタイトルはひどい。
要するに、女性の処女性に値段を付けているわけです。
あまりにも時代錯誤というか、人身売買が行なわれていた頃を思わせませんか。
少し話が逸れますが、一般に信じられていることとは異なり、日本で純潔が尊ばれているようになったのはそれほど昔のことではありません。
あまり大昔のことはわかりませんが、奈良時代から明治時代まで、日本では性に関して非常におおらかで、貴族は男も女も和歌を詠んで異性を口説き、庶民は春と秋の年に2回開かれる祭りの日に野合(フリーセックス)を楽しんでいました。
江戸時代でもこうした風潮は続き、処女性が問題になることはほとんどなく、また、離婚や再婚も多かったと言われています。
それが、明治維新の頃に性に関してとくに厳格だったヴィクトリア朝時代の欧米の価値観が入ってきて、こうした風潮は大きく変わりました。
一夫一婦制が正しいとされ、純潔がうるさくいわれるようになったわけです。
そして、結婚の時に処女の女性が求められるようになりました。
こうした処女性への過度のこだわりのために、たとえば、花街では処女の芸者や舞妓の水揚げ(意味がわからない方は自分で調べてください)に大金が投じられるようになっています。
上記のタイトルはこうした風潮を思い出させます。
何のかんの言っても、まだまだ女性をモノ扱いするような価値観はなくなっていない。
これでは本当の意味での女性の解放なんてまだまだでしょう。
では。
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