自己正当化の方法(4)

人間関係でも、誰かに対していったん良いイメージを持てば、その人の良いところを見ようとしますし、悪いイメージを持てば、悪いところを見ようとします。

「良い人」と思っている人に、あいさつをしたのに、返事がなかったら、聞こえなかったのかな、と思います。

ところが、「悪い人」と思っている人の場合は、あいさつをしたのに返事がないと、無視されたと感じるんです。

「返事がなかった」と言う情報を自分の中のその人のイメージと矛盾しないように、自分なりに解釈してしまったわけです。

もう一つ例を上げると、苦労を重ねて大学卒業して、大企業に入社した結果、そこがつまらない職場であったらどうするでしょう。

長年の苦労がひどい結果に、という事実を受け入れがたくて、いつのまにか、選んだ職場はすばらしいもの、会社におのれを捧げる、というこじつけを始めてしまうんです。

人はなかなか現実を直視できないのです。