悪魔払いを巡る裁判−映画「エミリー・ローズ」(6)

しかし、これを法律で規定することは困難です(この辺の問題は非常に複雑ですからここでは深入りしません)。

弁護士はそこにつけこんだわけです。誰も完全には否定できないと言うことに。

これが日本だったら問題は簡単でしょう。聖職者であろうと、医師の資格を持たない者が医療行為を行うことはできないので、神父は間違いなく有罪です。

まあ日本では、神父による悪魔祓いの話は聞いたことがありませんが、祈祷師、巫女、霊媒といった人たちがお祓いをすることはよくあります。

その結果、人が死んだ事件が過去にあったようです。しかし、その場合でも信仰が裁判の争点になったことはないようです。

そう云えば、ちょっと違うかも知れませんが、昔、宗教上の理由から輸血を拒否し、子供を死なせてしまった親がいました(現在では医師は緊急措置として、両親の了承なしに輸血できます)。

彼らは罪には問われませんでしたが、世間から轟々たる非難を浴びました。日本ではやはり理解されないんでしょうね(私もけっして彼らの行動を容認はしていません)。