お涙頂戴ではない難病映画

139043.jpg「100歳の少年と12通の手紙」(原題:「Oscar et la Dame rose」: 2009年のフランス・ベルギー・カナダ合作映画)を見ました(DVD)。

簡単にストーリーを紹介すると、白血病で入院中の10歳の少年オスカーと宅配ピザ屋の女主人ローズの心の交流の話です。

オスカーは、自分に対して本当のことを何も言わず、腫れ物に触るようにしか接しない両親を初めとする大人たちに不信感を抱いていたんですが、言葉遣いは悪いが歯に衣着せぬストレートな物言いをするローズに惹かれ、心を開くんですね。

いわゆる難病もので、しかも主人公が子供ですから、日本で作ったら絶対にお涙頂戴になり、必死で泣かそうとするでしょうね。映画でもテレビドラマでもそんなのばかりです。

しかし、フランスの映画はそうはなりません。もちろん、オスカーは悩んではいるんですが、普通の子供と同じように遊び、そして初恋をします。

まあ、好みの問題ですから、涙でべたべたの方が良いのか、からっとドライなほうが良いのかは人それぞれでしょう。

そう云えば、見てはいないんですが、テレビなんかで紹介される予告を見た限りではフランスで大ヒットした「最強のふたり」(原題:「Intouchables」) も、頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者の話で、これもぜんぜん深刻ぶっていません。

血も涙もないとの定評がある私なんかはやはりフランススタイルが良いかな。

いずれにしても、「100歳の少年と12通の手紙」は素晴らしい映画ですから、是非ご覧ください。

では。