マナー講師のマナー知らず

148485.jpgこの間、あるテレビ番組(中居さんが司会をしている)でビジネスメールの美しい書き方を教えていました。

バラエティなので、タレントが例題に挑戦し、その回答を講師が採点すると言う形を取っていまして、講師は平林都さんでした。

知らない人もいるでしょうが、この人はマナー講座の講師でありながら、本人自身がまったくマナーに欠け、言葉づかいが最悪なんです。それに作り笑いがひどい。

それは良いとして、この平林さんの言っていたことが結構間違っていたんですね。

たとえば、「ご連絡いたします」は、自分の動作だから「ご」をつけてはいけないと言っていました。

冗談でしょう。「お(ご)〜する(いたす)」は、自分の動作をへりくだる謙譲語であって、「ご連絡致します」には何の問題もありません(文化審議会が規定しています)。

どうも平林さんは敬語がわかっていないんじゃないかな。さらに言えば日本語がわかっていないようです。

別の番組でも、「ありがとうございました」は過去形で今はもう感謝していないみたいだから「ありがとうございます」と言えと教えていました(これに賛成の人も多いようですが)。

しかし、これは短絡的でしょう。場合によっては、「ありがとうございました」と言わなければならない時もあります。過去の出来事と現在の出来事の区別がわかりにくくなりますからね。

それから、平林さんは予定されていた取引先との会議に体調不良で出席できないことを連絡する時のメールとして「○○商事の××でございます。突然で申し訳ございません。はなはだ勝手ではございますが、本日はどうしても出席できません」を模範解答だとしていましたが、私だったらこんなメールを貰ったら相手の誠意を疑いますね。真摯さがぜんぜん伝わってきません。

確かに敬語は非常に煩雑なルールがあり、また、当然ながら例外も多いですから、平林さんがそれほど詳しくないのは仕方ないにしても、そんな人が間違った考えを平気で押しつけようとすることは問題ですね(テレビ局にも責任があります)。

彼女はテレビ以外に、年間300回も講演だか講義だかをしているそうですから。

では。