入札制の問題-警察での通訳(3)

IMG_0016.jpg昨日の続きです。

今日は、取り調べの通訳が悪かったためにとんでもない目にあった日本人旅行者の話をご紹介します。

メルボルン事件と呼ばれています。

オーストラリアで麻薬を密輸したとして日本人観光客5名が逮捕されました。

彼らはメルボルンに向かう途中に経由したクアラルンプール(マレーシア)で、持参のスーツケースが盗まれたため、ガイドから代用品として別の新しいスーツケースを貸してもらったんですね。

そして、そのスーツケースに二重底の細工がなされており、その中にヘロインが隠されていたわけです。

彼らは一貫して犯行を否認、連邦最高裁まで争ったのですが、懲役15年から20年の刑が確定しました。

この時、逮捕・捜査から公判にいたるまで能力のある通訳が立ち会わなかったために、発言の意図が正しく伝わらず十分な主張ができなかったと指摘されています。

この時の通訳はオーストラリア人だったとのことですが、料金の安い、ひょっとすると素人だったのかも知れません。

この事件が発覚した当時、日本の外務省は「相手国に対して内政干渉になるので事態を見守るしかない」とし、救済措置を講じなかったとのことです。

やはり外務省は頼りになりませんね。

それはいいとして、この不運な日本人旅行者ももっと早い段階に自腹で優秀な通訳を雇えば良かったんですね。

明日に続きます。