父親の威厳

IMG_0016.jpg最近は父親の威厳がなくなったとよく言われます。

確かに、昔の父親は恐かったですね。

多分、それは儒教的な考えを受け継いできた社会の枠組みに支えられていたと思います。

そして、この威厳なるものは暴力に裏打ちされていて、父親が子供を殴るなんてことは当たり前のことでした。

しかし、力での支配にはやはり無理があるでしょう。

力がなくなれば抑えられなくなってしまう。

その上、社会の枠組みがどんどん緩んできています。

そのために親に暴力を振るう子供が増えたのかも知れません。

最近は、子供は父親を尊敬しなくなったようです。

先日実施されたアンケートでも父親とは友達付き合いで仲はいいが、尊敬はしていないと言う若者が沢山いました。

識者はそれでは駄目だと言います。

父親を尊敬しろと。

私は考えかたが逆だと思います。

父親を尊敬すべきなのではなく、父親が尊敬されるような人間にならなければいけないんです。

子供が自分の目で見て、自分の父親は尊敬できると思わなければいけないということです。

これは多分、学校の先生にも言えると思います。

私が若い頃は先生は物凄く恐くて、逆らうことなど思いも寄らなかったのですが、これも社会のシステムがそうなっていたからです。

勿論、暴力を振るう教師は珍しくありませんでした。

そして、世間も今ほどうるさくなかったので、問題にならなかったんですね。

しかし、社会の規範が崩れてしまった今、闇雲に先生を尊敬すべきだなどと言っても今の若者が聞いてくれるはずがありません。

殴られれば、先生に暴力を振るうことに躊躇いなどありませんから、平気で殴り返すでしょし、しまいには殴られなくても殴るようになってもおかしくありません。

威厳などといったものは、押し付けてどうにかなるものではないんです。

父親にしても、教師にしても、尊敬を得、威厳を持つためにはそれに値するような行動を取らなければいけないでしょう。

残念ながら、私には、若者が今の大人を見て尊敬の念を抱くとはとても思えませんが。

では。