記憶の河を遡る(3)

IMG_0016.jpg続きです。

こうした退行催眠で呼び起こされた記憶は、「抑圧された記憶」ではなく「偽りの記憶」であるとする考えが一般化し、退行催眠による記憶だけでは裁判の証拠にはならなくなりました。

余談ですが、宇宙人よる誘拐事件(アブダクション)の調査においても、退行催眠を利用して記憶が呼び出されることが多いのですが、これらのアブダクション情報は、熟練した催眠治療の専門家の間でも、その正確さに多くの疑問がもたれています。

大体、退行催眠肯定論者が生まれ変わり研究の権威としてよく紹介するイアン・スティーヴンソン博士さえ、「前世の記憶を探り出す確実な方法だとして催眠が用いられている状況を何とか終息させたい」と言うほど、その実体はお粗末なものなのです。

ただし、いまだに多くの人が「抑圧された記憶」という神話を信じており、記憶は簡単に書き換えが可能だということを知らない人も多いことも確かです。

ところで、退行催眠とは別の忘れていた遠い記憶を甦らせる方法がありますので、ご紹介します(最初に少し書いたものの補足です)。

ベッドで横になって行いますので、なかなか眠れない時にでも試してください。

ただし、甦った記憶が事実であるかどうかは神のみぞ知ることをお忘れなく。

まず、意識を集中し、記憶を段々と遡るようにします。

イメージとしては、河を遡るや山に登る感じでいいでしょう。

ただ、上に行く感じには違和感をもつ人も多いかも知れません。

通常は海をイメージすればいいと思います。

潜って行く感じにするわけですね。

記憶の海の底までダイブするのはわかり易いイメージだと思います。

記憶は古いものの上に新しいものが積み重なっていく感じだからです。

続きます。