続きです。
こうしてできるだけ過去に遡って記憶を呼び起こしてみます。
ただし、この時、最初からあまり一度に遠い昔のことを思い出そうとしないほうがいいようです。
つまり段階を踏んで徐々に過去を遡るようにするわけです。
たとえば10年前くらいから始めて、20年前、大学、中学、小学校といった感じ。
そして段々難しくなってきますから、その時は、出てきた人間とか風景を足がかりに更に過去に戻るようにします。
この記憶の海の底までダイブする方法は、実は、サイコダイビングからヒントを得ています。
サイコダイビングは記憶だけではなく、精神構造全体に潜るわけですが。
これは作家の故小松左京氏が最初に打ち出したアイデアで(「ゴルディアスの結び目」)、やはり作家の夢枕獏氏がその作品(サイコダイバーシリーズ)の中で発展させています。
このイメージは非常に面白いですね。
私の見る限りでは、霊能者や精神感応者といった人たちはほとんどの場合、人の精神の上っ面だけを撫でているようですが、この方法では人の精神の中に潜っていきます。
まずサイココンバータと呼ばれる装置を使用して、精神の波長を同調させてから精神の中に潜り、様々な抑圧された記憶を探り出すんですね。
そう云えば、サイコダイビングをすると称する占い師がいるようですが、彼もここからアイデアを得たのでしょう。
しかし、残念ながら今のところサイココンバータなる装置は存在しませんし(玩具に同名のものがありますが、機能は全然違います)、サイコダイビングも実行は不可能です。
今のところは記憶を遡ることができるだけです。
では。
記憶の河を遡る(4)
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