遅ればせながら「蜩の記」を鑑ました。
わりとヒットした映画ですからご覧になった方も多いでしょう。
以下に簡単に紹介します。
主人公はある事情から罪を背負わされます。
そして、切腹を命じられるのですが、10年間の猶予が付いています。
変な話ですが、その間に藩史を編纂しろというわけです。
彼は、藩のために、この理不尽とも言える罰を受け入れ、藩史を書き上げた後、約束の日に見事に切腹。
まさに武士の鑑ですね。
ところで、現代では、スポーツや格闘技で「武士道」を標榜することが良くあります。
野球の日本代表を「サムライJAPAN」などと呼んでみたり。
まるで武士が日本人を代表しているかのようです。
しかし、江戸時代の日本の人口は推計で2500万~3000万と言われていますが、そのうち武士階級が占める割合は、多めに見積もっても5~7%なんですね。
町人(商工)もそんなに多くはなく(10~15%ほど)、日本人の大半(およそ80%)は百姓などの一次産業従事者でした。
つまり、現在の日本人はほとんどが百姓の子孫だと言ってもいいくらいで、精神的にもいわゆる村社会的なものが色濃く残っています。
それを無視して、精神的基盤が武士にあるとするのは単なる美化でしかないでしょう。
では。
幻想の武士道
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