一食を大切に

20151123075339-e18e86540831fb54b6c0384c1463db68fd485190.jpgこの間、あるテレビ番組で、合コンでいつも男にご馳走になる女性の話をしていました。

高いものばかり注文してけっして自分では払わないんだそうです。

別に合コンに限りません。

最近は変わってきたとは云え、男性に奢ってもらうのが当たり前だと思っている女性はいまだに多いのではないでしょうか。

しかし、実はなにもこれは女性だけに見られることではありません。

男性はそんな状況になることがほとんどないからわからないだけです。

そうした立場になれば同じように振舞う男性は多いでしょう。

大昔のことですが、ある政府系機関のパリ事務所開設記念パーティの時にその団体の理事長がやってきました。

60代後半だったと思いますが、この理事長がむちゃくちゃに威張っていたんですね。

同行した人間やパリ駐在員を人前で怒鳴りちらし、わがままの言い放題。

そして、食事の話になった時にこう言いました。

残りの人生の限りある食事には最高のものしか食べたくない。

一食一食を大事にしたい。

ちょっと聞くといいことを言っているようですが、この言葉自体がよく聞くもので彼のオリジナルな考えではなく、それを得々と語ることがいかにも薄っぺらい。

勿論、食事は大事ですが、人前で偉そうに発表することではないでしょう。

それでも、それが自腹であればまだ許せます。

しかし、この理事長はいつも人の金で食事をしているんです。

その団体の金であったり、接待であったり、いずれにしても人の金です。

それで最高のものしか食べたくないと言っているわけですね。

食生活についてどんな考え方を持っていてもそれは勝手でしょう。

しかし、それは自分の金で食べる場合です。

男女を問わず、人の金で食べる食事に贅沢を言う人間を私はさもしいと思います。

では。