「狼少女、カマラとアマラ」(2)

20151218075620-5f62cd22e11de49d3002ef6476e6f9dc34bff3da.jpg続きです。

また、この少女たちの話の真実性は、生物学的にも疑問があります。

まず、人間の赤ん坊は自分で母親の乳房を探すことはできませんから、狼では授乳できません。

それから狼少女が木登りをしたり、真夜中に遠吠えをしたと言われています。

しかし、狼は木に登りませんし、真夜中に遠吠えもしません(一般に信じられていることは間違いです)。

また、狼は時速45km前後で走るのに対して、人間は大人の最高でも35kmでしか走れません(それでもオリンピック級です)。

ましてや、子どもが四足歩行で狼についていけるはずがない。

そのため、今では、狼少女は捨てられた精神薄弱の子どもだったと考えられています。

インドではこういった子どもたちは、「役に立たない」ので捨てられることがあったようです。

しかし、こうして一旦生まれた「神話」は一部の人々にとって都合の良い内容であることから、一人歩きします。

そのために、作り話であることがほぼ証明されたにも関わらず、今でも信じている人が多いんですね。

これに類したことは世の中に結構ありますから、注意しないといけません。

もう少し続きます。