英雄濃い味を好む

20151215083424-96148364f94c134d7567e24aa72c375a56bb36ed.jpg昨日ある歴史小説を読んでいて思ったのですが、日本人はなぜか織田信長が大好きですね。

好きな歴史上の英雄ランキングでは常にトップにいますし、テレビでもしょっちゅう信長が主人公のドラマをやっています。

ところで信長が余りグルメではなかったと言う話をご存じでしょうか。

三好義継という武将が、将軍足利義昭らの反信長包囲網に呼応して信長から離反し、結局、敗死したんですが、その時に三好家の料理人 坪内が織田家の捕虜になりました。

このとき、信長はこの料理人に「料理がうまければ罪を許して料理人として雇う」と約束したんです。

そして信長はこの料理人が作った料理を食べたんですが、このとき「水っぽい」と言って、処刑させしようとしたんですね。

しかし料理人はもう1度だけ機会が欲しいと頼みます。

そして2度目に出された料理を、信長は「大変うまい」と大喜びし、家来として取り立てました。

後で、この料理人は、「最初から2度目の料理を出していたら良かったのではないか」と訊ねられると、「最初は京風の上品な料理、次は味の濃い田舎料理を作っただけです。しょせん信長公も田舎者ということですよ」と馬鹿にしたということです。

まあ本当か嘘かは知りませんが、あまり大した話ではありませんね。

信長が田舎者だと強調したかったのでしょうか。

大体、信長の味の好みくらい見ただけで分からなければ一流の料理人とは言えないでしょう。

まあそれはいいとして、薄味好みでは戦国の英雄にはなれないんじゃないかな。

秀吉も貧乏人の出身でわりと安っぽい料理が好きだったそうです。

また、家康も美食家ではあっても濃い味のものを好んだみたいですね。

鯛の揚げ物にあたって死んだといわれているくらいですから。

今川義元は貴族趣味で、化粧し、鉄漿(おはぐろ)まで付け、大変なグルメでもあったようで、上品な薄味を好んだと思いますが、信長に滅ぼされています。

確かに日本では洗練されると薄味になっていく傾向があるようです。

それはそれで良いのでしょうが、貴族的ではあっても力強さはありません。

また、フランス料理や中国料理はあまり薄味が上品だとは考えないようです。

まあ、繊細な味と薄味は違いますが。

では。