コミュニケーション・モデル

20151220082853-0d3aa89a5f084da6b29d0ab57898bd28faf9ffb6.jpg2020年の東京オリンピックを機会に英語を学びたいと考える人が増えています。

しかし、観光客を迎える以上のレベルで外国人と交流しようとすると途端に大きな壁にぶち当たってしまい、挫折することも多いようです。

その大きな原因の一つは、日本と外国、特に西欧諸国との間のコミュニケーション・モデルの違いなのですが、あまり注目されていません。

今日はこのコミュニケーション・モデルの話をしたいと思います。

まずコミュニケーションをなり立たせる文化には大きくわけて「ハイコンテクスト文化」と「ローコンテクスト文化」があります(アメリカの文化人類学者エドワード.T.ホールの説)。

ここで使われている「コンテクスト」とはコミュニケーションの基盤である「言語・共通の知識・体験・価値観・ロジック・嗜好性」などのことです。

ハイコンテクスト文化とはコンテクストの共有性が高い文化のことで、伝える努力やスキルがなくても、お互いに相手の意図を察しあうことで、なんとなく通じてしまう環境を意味します。

その典型的な例が日本です。

コンテクストが主に共有時間や共有体験に基づいて形成される傾向が強く、「同じ釜のメシを食った」仲間同士ではツーカーで気持ちが通じ合います。

ところがその環境が整わないと、今度は一転してコミュニケーションが滞ってしまうんですね。

お互いに話の糸口も見つけられず、会話も弾まず、相手の言わんとしていることがつかめなくなってしまう。

このため、日本では、「コミュニケーションの成否は会話ではなく共有するコンテクストの量による」ことと、「話し手の能力よりも聞き手の能力によるところが大きい」と言われています。

続きます。