世の中は悪くなるばかりなのか?

20160116074052-eab9079ae689aa1e0c1aaea373d30e56bf89ac2a.jpg昔から世の中はどんどん悪くなっていると言いたがる人が多いようです。

ある作家は、世の中が悪いから腹の底から笑えないといったことをこの60年間言い続けています。

そう云えば、ネットでもそんな意見が溢れていますね。

シニカルな視点を持っている方が賢く見えると思っているんでしょう。

しかし、世の中は本当に悪くなるばかりなのでしょうか。

少し前までは肺結核が死病であり、盲腸も麻酔ができるまでは命にかかわる病気だったことを考えてください。

進歩に伴って新しい病気が生まれているとのよく聞かれる主張には、人類の平均寿命はこの200年で倍に伸び、この傾向は多くの国において今でも続いていることを上げるだけで反論できるでしょう。

また、子供に長時間労働をさせたり、遊郭に売ったり、酷い場合は間引きと言って口減らしのために新生児を殺していたのはそんなに昔のことではありません。

しかし、今では日本には餓死する人間はほぼいなくなりました。

これらすべては科学の進歩によって社会が全体的に裕福になったからです。

もちろん進歩にはネガティブな面もあることは否定しません。

しかし、それは人間が理性をもって解決すべき問題であり、闇雲に進歩を否定しようとする態度には疑問を持たざるを得ません。

物質的に豊かになっても、精神的豊かさがついていっていないとの意見も良く聞きます。

しかし、精神的な豊かさとは具体的には何を意味しているのでしょう。

精神的豊かさが文化だとすれば、物質的に豊かにならなければ精神的な豊かさが生まれるはずがありません。

食べることに汲々としているような人たちには芸術を生み出すような余裕なんかないということです。

もし、本当に社会が悪くなったと思うのならば、したり顔で批判するだけではなく、世の中を良くするために何かできることをすればいいでしょう。

ある意味では批判ばかりして何もしない人間が多いから世の中がぎくしゃくしているのではないでしょうか。

では。