高齢者の労働と退職後の生きがい

20160127080604-4e51278107e60d30d12b5a20999324086f5e3e5b.jpgのサムネイル画像結構古い資料で恐縮ですが、仏大手生命保険グループ「アクサ」が、欧米やアジアの15カ国・地域で実施した退職後の生活に関する調査によると、日本人就労者の退職希望年齢は61歳と最も高かったとのことです。

7割以上が退職年齢の引き上げを望み、60歳を過ぎても働き続けたい人が多いんですね。

「リタイア」に消極的な日本とは逆に、欧米では早く退職して趣味やボランティア活動で有意義な時間を過ごしたい人が目立ちました。

調査は、米国や英国、シンガポールなど15カ国・地域の就労者と退職者、それぞれ300人を対象に実施されたものです。

就労者に「何歳でリタイアしたいか」と聞いたところ、日本人は平均61歳で、最も若く引退したいシンガポールの54歳と7歳の開きがあります。

60歳を超えたのは日本だけで、各国に比べ「仕事志向」が際だち、日本の就労者の68%、退職者の75%は、退職年齢の引き上げに賛成しており、早く退職することへの不満が見えます。

仕事を続けたい背景として、年金など公的支援への不安感があるんでしょう。

年金受給額を「満足」とした日本の就労者は10%と一番低く、トップのオランダ(68%)と大きな差があります。

「リタイア後の活動計画」についても、欧米では旅行やスポーツ、ボランティアなどが挙がったが、日本では具体的な計画を持っていない人が目立ちました。

やはり日本人はワーカホリックなのでしょうか。

たとえば、フランスでは労働者は一貫して退職年齢の引き下げを要求してきましたし、徐々にそれが実現しています。

現在では、56歳で退職し、老齢年金をもらえるんですが、これを55歳にして欲しいとの声が強くなっているとのことです。

フランスには企業が定める定年退職年齢はなく、また退職金もありません。

その代わりに退職した時点から老齢年金が受給できます。

また、受給年齢や金額にも細かい規定があります。

勿論、これには様々な問題があるのですが今回はそこまで踏みこみません。

続きます。