昨日書いたように、細胞は元々持っているコピーミスの修復という行動をある時期に止めてしまいます。
これが、人間で言えばだいたい25歳前後なんですね。
子孫を残すべき年齢です。
つまり、細胞がコピーミスの修復を放棄することは、生物が子孫を残す上での自然界の法則と言えるでしょう。
生き物は子孫を残した時点で、親はそれ以上生きていてもしようがない、このままでは子孫の食べるものが無くなってしまうという理由から、死ぬように定められているわけです。
生き物は結局、遺伝子を世代から世代へと運ぶための乗り物にすぎず、種の維持のためには個体を犠牲にせざるをえないのです。
最近では、生物の進化は種全体の繁栄維持がすべてではなく、自分の利益を優先させると考えられていますが、それでも生物の死は種の維持のために必要です。
こう考えると、人が長寿を求めることは自然に反した行為と言えるでしょう。
近代文明以前の人間の平均寿命は40歳位でした。
これが特に19世紀後半からの医学の急速な発展により、人間はなかなか死ななくなりました。
現在、日本人では寿命は85歳前後になっています。
そして、日本はすでに国内での自給自足が出来なくなっています。
つまり親がなかなか死ななくなったために子孫の代の食料が足らなくなってきているわけですね。
日本だけではく、世界の先進国において、出生率が下がっていますが、これは当然の現象なんです。
平均寿命が延びているのに出生率が高いままだと人口が増えすぎますから。
言ってみれば、自然がブレーキを掛けているわけで、これを人為的にどうこうすることはできないでしょう。
まだまだ続きます。
では。
不老不死の夢 (2)
Posted by comment(0)
|
コメント