自己正当化の方法 (3)

20160205074439-c70f90d6a7c65e6d09327ff0ea1500bc4342c3c4.jpgのサムネイル画像昨日取り上げた、苦労して入った会社がつまらなかった場合に、無理にそこが良い会社と思い込み、忠節を誓うようになるといった行動は他にも見られます。

カルト教団などで本人のプライドを傷つけるような厳しい儀式や修業を強制することがよくあります。

これが無意味で理不尽なものであるほど、新しい集団への帰属意識が強くなるんですね。

その理不尽な行為を行ったのは自分であり、それは取り消せないので、意味があったのだと思いこむ必要があるからです。

そして、一旦信じてしまうと、たとえば、教祖が地球の最後の日を予言すればそれをそのまま受け入れます。

新興宗教なんかではよくありますよね。

終末予言を使って人々の信仰、価値観や道徳観をコントロールするわけです。

ところが、予言の日には当然ながら何も起きません。

終末予言をする教祖を信じている、しかし、この世の終わりは来なかった、ここに認知的不協和が生まれます。

たいした信仰も活動もしてこなかった信者は、教祖に失望し、脱会するでしょう。

しかし、財産をすべて寄付し、家族も何もかも捨てて従ってきた信者は、そんなふうに簡単には思えません。

むしろ逆に信仰を強め、教祖のお陰でこの世は救われたと考え、ますます熱心に布教活動に励むんです。

また、こうした終末思想に社会に対する不満が加わるとさらに過激な終末論を生み出します。

社会への不満のために根拠のない優越感から、選良意識を持ち、更には他の人間たちの滅亡をも望むことさえあります。

そして、当然ながら、こうした人たちを一般社会に引き戻すことは容易ではありません。

まあ、これは極端な例ですが、実際にこうした人たちによって惨劇がを引き起こされたことがあるのは皆さんもご存知だと思います。

まだ、続きます。

では。