昨日の続きです。
昨日書いたENAには1年にわずか150人程度しか入学しません(東大の入学者が3000人をゆうに超えることを考えてください)。
そして、入った時点で公務員の給料がもらえます。
だから、アルバイトなどしなくても済みますし、実際にアルバイトなんかする学生はいません。
余談ですが、面白いことにENAは落第する学生も、退学する学生もほとんどいないそうです。
卒業すると、就職は成績順で希望の官庁に入ります。
人気があるのは財務省や外務省とのことです。
どこに入っても最初から副知事クラスの地位がもらえます。
成績の悪い卒業生は民間企業に行きます。
と言っても、そこでも下積みを経験するわけではなく、幹部候補として、初めから部長程度の待遇をうけるようです。
現在では官庁や民間企業で高級職に就く者の7〜8割程度はENAの出身者と言われています。
そして、フランスの大物政治家はほとんど全員がこの学校を出ているんですね。
日本に住んでいると社会党は労働者の政党のように思うかも知れませんが、フランスでは、保守も革新もENA出身でないと出世できません。
そして、ENAの生徒の父親もこの学校を出ていることが非常に多いのです。
確かにこのシステムでは非常に優秀な官僚を育てることができるでしょう。
しかし、その反面、社会の階層化が進むといった弊害もあります。
階級間の交流はほとんどない。
そのためでしょうか、サクセスストーリーなんかほとんど聞きませんね。
社会が硬直していて、浮かび上がるチャンスがないのでしょう。
最後に念のために言っておきますが、フランス国籍がないと入学できませんから、子供をENAに入れようなんて思わないでくださいね(より正確に言えば、外国人は留学はできますが、卒業はできません)。
では。
フランスのエリート養成機関(続き)
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